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Special interview Vol,7 with<br>【KOOKY ZOO Designer|Yusuke Suzuki】

Special interview Vol,7 with
【KOOKY ZOO Designer|Yusuke Suzuki】

10月23日(木)から11月5日(水)までの2週間、NEWoMan SHINJUKUで開催される「crinkle crinkle crinkle POP UP STORE」。

イベントに先立ち、今回コラボレーションが実現したKOOKY ZOOのデザイナー鈴木裕輔氏とcrincle crinkle crinkleディレクターの金原広和氏のスペシャルインタビューをお届け。二人の出会いから、コラボレーションアイテムのこだわりまで教えてもらいました。

金原 初めて会ったのは、2021年ファーストコレクションの受注会だよね。あれは青山のL'ECHOPPEだったかな?

鈴木 そうですね。僕はその前から金原さんをインスタグラムで知っていて、いつもめちゃくちゃおしゃれだなと思って見ていました。

金原 あとから聞いたところ、鈴木くんは前職のデニムブランドで僕がずっと愛用しているアイテムの企画・生産・パターンを担当されていたそうで、出会う前から縁があったんだなと思いました。実際に話してみると、謙虚でとにかく物づくりが好きという印象。同時にファッションに対する変態性も端々から感じていて、コレクションを見るたびに「よくこういうアイデアが出てくるな」といつも感心してます。

鈴木 金原さんはSNSのイメージとはいい意味で真逆でした。もちろん、すごくパワフルだけれど、それはあくまで表面的というか。内面はファッションに対してとても繊細で、ご自身の哲学と美学を持っていらっしゃる方なんだなと感じています。そういう方に僕が作る洋服を好んで着てもらえることがすごく嬉しいなって毎回思いますね。

金原 鈴木くんのクリエイションには、僕の大好きなデザイナー、マルタン・マルジェラの哲学や姿勢に近いものを感じてる。デニムとアメカジ、そしてキッズウエアという3つの軸がしっかりとありながら、案外モードなムードもあって、そのミックスしていく感覚や視点に惹かれるような気がします。

鈴木 すごく嬉しいです。金原さんには展示会にいつも来てもらうんですけど、金原さんの感想が自分の中ではひとつの指標になっていて、純粋にいつもおしゃれだし、褒めてもらえると嬉しいんですよね。

金原 KOOKY ZOOの展示会に行くとすごくポジティブな気持ちになれるんだよね。他の人のすごいクリエイションをみると刺激をもらうとともに、悔しいと思ったり落ち込んでしまうこともあるんだけれど、そういったネガティブな感情も超えていきたいと思えるブランドのひとつがKOOKY ZOOです。ところで、鈴木くんがKOOKY ZOOを立ち上げたきっかけはなんだったの?

鈴木 シンプルにいうと、自分が作りたいものを作ってみたいという気持ちからですね。昔からいろんなものを集めるのが好きで古いおもちゃや洋服、キッズウエアをちょこちょこ集めていて、なかでも子供服に関してはあの独特な小さいバランスになんともいえない愛着があります。アンバランスな不完全さや歪さといったところに魅力を感じて、これが実際に着用できればいいなと思うようになりました。

金原 それこそマルジェラも「ドールズワードローブ」という人形の洋服を大人が着れるサイズにしたコレクションを出したことがあったよね。

鈴木 そうですね。ただそのままだと真似事になってしまうので、その発想をどうミックスしていくのか、どういうカテゴリーと合わせていくのかというのはすごく考えました。そういったコンセプチュアルさとアメリカンカジュアルという自分が好きなバックグラウンドを混ぜ合わせようと思って。

金原 僕の好きなヨーロッパヴィンテージのキッズウエアも本当に緻密で、刺繍などの細かなディテールを大人のテクニックそのままに再現しているんですよね。可愛いを超えてもはや美しい。それでいて子供の等身に合わせたバランスというのがなんだか惹かれちゃうんだろうなぁ。KOOKY ZOOはそういった独自の視点で作られたデザインはもちろん、パターンなどの縫製にもこだわりを感じます。

鈴木 KOOKY ZOOのデザインの中でパターンは大きな割合を占めています。アンバランスでファニーに見える洋服たちもそれだけだとちょっと面白くないというか、コミカルなデザインだからこそ、パターンも縫製も真面目に作ることが大切だと思っていて。見て「なんだろう」って思って、着て「かっこいい」という感じを狙って作っています。

金原 今日僕が着ているKOOKY ZOOのウエスタンベストもそうなんだよね。ただ見た目が可愛いだけじゃなくて、着るとしっくりくる。コレクションを重ねるにつれて素材の幅も広がり、よりモードなムードもあってどんどん好きになってる。インスピレーション源にきちんと自分のフィルターをかけて、熱量を持って次のステージにいけるかというのがファッションだと思うし、そういうクリエーションがやっぱりいつの時代も素敵なんですよね。

 

金原 ポップアップに向けて、鈴木くんにはKOOKY ZOOのシグネチャーアイテムの一つであるKOOKY BAGを別注で作ってもらいました。これはファーストコレクションの受注会で僕もオーダーしていて、とてもお気に入りのアイテム。ダメもとで相談したら、快く引き受けてくれて驚きました。

鈴木 金原さんは人として信頼できる方ですし、KOOKY ZOOのこともよく知ってくれているので悩むことはありませんでした。金原さんが作るcrincle crinkle crinkleの世界観に合わせて、このアイテムをどう作っていこうかなということだけを考えていました。

金原 やりとりも1回くらいしかしていないよね。もちろん自分の意思は伝えるけど、アイテムのことも鈴木くんの物づくりの姿勢も信頼しているから、どう転んでも大丈夫だという安心感があって、細かいリクエストはしていません。実際にサンプルを見せてもらったら、想像の200%を超えていました。こういった自分では想像できないようなサプライズが好きなんです。

鈴木 ある程度任せてもらった部分もありつつ、スタートはしっかりしていました。1回お話しして、金原さんの作りたいイメージは伝わったので、あとはちゃんと具現化するだけだったというか。とにかく真摯に作るだけでした。

金原 実際にサンプルを見たときはもちろん、こうやってポンと置いただけの写真でもすごい可愛い。このバッグとは直接関係ないけれど、2025AWは「寛容な内省」というテーマをつけていて、ある種ネガティブにも捉えられやすいテーマを優しく包み込んでくれるアイテムに仕上がったなと思います。

鈴木 ありがとうございます。ポップアップでお披露目するのが楽しみです。

金原 crincle crinkle crinkleを始めて3年。今回のポップアップも3周年ということで、お客さまにより楽しんでいただけるものにできたらいいなと思って、このほかにも僕の好きな人やお店、ブランドとスペシャルなコラボレーションをたくさん用意しています。誰だって楽しい日があれば、落ち込んだりと日々いろんなことがあるじゃないですか。そのなかでも喜びとか、面白さといったファッションの楽しさのようなものをcrincle crinkle crinkleで、感じてもらえたらいいなと思っています。

 

Information

crinkle crinkle crinkle POP UP STORE

会期/2025年10月23日(木)~11月5日(水)

場所/NEWoMan SHINJUKU

会場では25AWの全アイテムが見れるほか、『crinkle crinkle crinkle』の3周年を記念してブランドディレクターの金原氏と親交のあるブランドやショップとのコラボアイテムやスペシャルセレクトも発売。商品をお買い上げいただいた方には、イベント限定でネルチェック生地のオリジナルトートバッグに入れてお渡しします。

 

-『KOOKY ZOO』Desingner

鈴木裕輔(すずき ゆうすけ)

長年、老舗デニムブランドのメンズデザイナーとして活躍後、2021年に独立し『KOOKY ZOO』を立ち上げる。アメリカンビンテージウェアをベースに、独自のフィルターを通した服づくりを続けている。

Instagram :@kooky_zoo_official

 

-『crinkle crinkle crinkle』Brand director

金原 広和(きんばら ひろかず)

長年テキスタイルデザイン会社にて企画営業に従事し、コレクションやメゾンブランド、セレクトショップを担当。現在はアパレル会社にてテキスタイルデザインチームを運営しながらトレンド予測やブランドのディレクター兼デザイナーを兼任している。

Instagram : @kin.summer.summer.

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