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Special interview Vol,4 with<br>【La Maison de Lylis Designer│Kasai Mika 】

Special interview Vol,4 with
【La Maison de Lylis Designer│Kasai Mika 】

10月30日(月)からニュウマン新宿にて開催される、『crinkle crinkle crinkle』のポップアップストア。そこでスペシャルな企画として、『La Maison de Lylis』とのコラボレーションハットが実現。『crincle crinkle crinkle』ディレクター金原広和さんと、友人でもある『La Maison de Lylis』デザイナー葛西美歌さんが、その経緯やデザインについて語ります。

 

 

金原 もともと美歌ちゃんと面識がない時代から、メゾン ド リリスが好きでかぶっていて。この人が作る帽子って個性があって見た感じ「おや?」って思うんだけど、ちょっと気合を入れると何にでも合うの。どちらかというと万人向けというよりは、選ばれた人のものだと思うし、クリンクルの服もそう。

 

葛西 たくさんあるものに埋もれてしまうよりも、ちょっと「おや?」っと二度見されるくらいがちょうどいい(笑)。

 

金原 僕なんか人として三度見されちゃうからね()

 

葛西 金原さん目立つから()。私も最初はインスタで金原さんの存在を知ったんです。私が作った帽子をかぶってくださっている素敵な方がいるなぁと。基本レディースとして作っているのですが、男性にもかぶってほしかったから、金原さんは私のなかで先駆者的な存在。それで「よかったら展示会に来てください」ってDMを送りました。不思議なもので、金原さんはサイズがぴったりのシンデレラサイズ! 共通の知り合いもいたりして、ぐっと仲良くなりましたね。

 

金原 その考え方は、僕も同じ。“ユニセックス”って言いたくなくて、レディースを男性が着たり、逆にメンズを女性が着たり、サイズが合えば誰が手に取ってもいいよね。

 

葛西 作るものは違うけど、感覚が近いですよね。

 

金原 だから今回、クリンクルのポップアップで何かスペシャルなことをしたいねってなったとき、すぐメゾン ド リリスとコラボしたいって思ったの。その頃、実は何となくモヤモヤしていたんだよね。あまりに資本主義にまみれた、悪い意味で既視感のあるファッションばかりを見せられて。その反動で、ずっとプレタじゃなくオートクチュールばっかり見てた。

 

葛西 わかる。ワクワクしたいんだよね。

 

金原 ちょうどこの時期、ニュウマン新宿全体が「アート」をテーマにしていて。オートクチュールって、実験の場だからアートに近い。「デザイナーはアーティストになるな」というのはよく聞く言葉で、実際、僕もそういう風に思っていた時期もあったけど、今ここまで来てそれに惹かれるってことは、自分のファッションに足りていないのは、アーティストに近い感覚やマインドなのかなと。ないものから発想しよう、インスピレーションを形にしようっていうのは、アマチュアであろうが芸術家であろうが一緒。まさに、美歌ちゃんはそういう人だと思う。コレクションが終わったら旅に出て、アートや街の景色を空っぽの頭にインプットしたり、自然にあるものをどう表現したらいいか発想したりする。彼女自身が手作業で作る一点ものの帽子も、日常のファッションアイテムを少しだけアートな感覚にしてくれるものだよね。

 

葛西 職人さんだけでなく、自分の手を入れる工程を重要視しているので、本当は最終仕上げをすべて自分でやりたい!と思っているんです。でも通常の商品だとさすがに全部は無理だから、こういうコラボのときはここぞとばかりに手作業できるのが嬉しくて。アートとしても、物作りの職人側としても楽しい。

 

金原 感覚はアートでも、機能性や使いやすさは基本としてしっかりあるのも魅力だよね。

 

葛西 今回クリンクルとのコラボで作らせてもらった帽子も、ひとつずつ手作業で作っているんです。まず、一つ目のポイントは、つばが二重になっている部分。職人さんがフェルトを木型に沿わせるとき、つばの端がどうしても浮きやすいので、そこにタコ紐を巻いてギューッと引っ張る作業があるのですが、実はこれ、そのときにできる溝なんです。どんな帽子でも作る過程で必ずできるものだけど、普段売られている帽子は下の2段目の部分はきれいに切り落とされているんですよ。何かを付け足したのではなく、作業工程をそのまま残して整えただけ。これって帽子を自分の手で作っている人じゃないと思い浮かばないですよね? だから楽しいんです。

 

 

金原 そう、この帽子をかぶっていると「2枚かぶっているんですか?」って聞かれる()。顔に近いものだから自然と目に入ってくるし、そこにコミュニケーションが生まれるんだよね。

 

葛西 そう、コミュニケーションツールとしても帽子って好き。「かぶるアート」であったらいいなと思います。

 

金原 そして、この星型が抜いてあるデザインも二度見ポイント! 一瞬目立たないけれど、光が差し込むとすごく素敵で、実際かぶって顔の角度が変わったりするとまた見え方が違って新鮮。人の手が入って作られるものって、いい意味でアマチュア感が残るから、それがまたアートとして面白いんだよね。

 

 

葛西 2023AWのクリンクルのテーマが『BLACK FANTASY』だったので、星が合うなって。これ、私が全部手作業で抜きました()。受注生産の特別バージョンも、抜いた星をひとつずつ金具に通してぶら下げているんですよ。

 

金原 これこそ、まさにアートだね。オートクチュール的な。メリーゴーランドみたいに自分の視界に星が見えて、無駄に首を振りたくなる(笑)。

 

 

 

 

葛西 このコラボハットは、クリンクルのビジュアル写真の雰囲気や展示会、金原さんの普段のファッションとか、そういうものが色々リンクして生まれたデザイン。自分もお洋服をオーダーしたから、あれにどんな帽子を合わせたいかな、とか。もし、メゾン ド リリス単独の商品だったら、仮に星型を思いついてもやっていないはず。

 

金原 それが、コラボならではの面白さ! 僕はデザインをガチガチに決めてお願いすることはなくて、自分の想いより、その人の想いが出てくれて、自分を裏切ってくれた方が嬉しい。今回も、お互いにリスペクトがあって好きなものがわかっているから、仕上がりまでとてもスムーズだったよね。

 

葛西 そうそう。帽子だけで歩く人っていないでしょ? もちろん帽子は昔から好きですが、若い頃は服のデザイナーになりたいと思っていたので、私はやっぱり“洋服ありきの帽子”なんです。だから、洋服ブランドとのコラボは本当に楽しい! 帽子ってつい首から上のバランスで考えがちだけど、私は帽子とかぶる人が醸し出す雰囲気が大事だと思っていて、ブランドとしてもそこが一番重要なところ。

 

金原 メゾン ド リリスのビジュアルもそうだよね。帽子の写真なのに、全身のルックがメインになっていて、何なら帽子がほとんど映っていないこともある(笑)。

 

葛西 それ、ポリシーなんです。帽子があることをイメージできる写真にはして欲しいけど、最悪写ってなくてもいい。帽子というより「スタイル」を売りたい。

 

金原 わかる。最初に全部見えちゃうより、その先をイメージして想像を膨らませるのが楽しいんだよね。

 

 

 

■ Information

 『crinkle crinkle crinklePOP UP STORE
 会期/20231030日(月)~1115日(水)
 場所/NEWoMAN新宿 2F イベントスペース
 時間/平日・土 11:00-20:30 / 日祝 11:00-20:00

 
 ※ONLINE STOREでは11月6日(月) 12:00から発売開始

 

 


REGULAR  ¥18,700(税込)
color : BLACK / BEIGE

 


STAR HOLE ¥23,100(税込)
color : BLACK / BEIGE

 


STAR MERRY ¥30,800(税込)
color : BLACK

 

 

 

 

-La Maison de LylisDesigner

葛西 美歌(かさい みか)

文化服装学院アパレルデザイン科卒業後、各社帽子デザイナーを経てメゾン ド リリスを2014年にスタート。 同時に独学で木型を使用した昔ながらの手法での帽子製作を始める。 パーソナルなフルオーダーメイド帽子製作も得意とする。

Instagram : @micakasaiiasak

La Maison de Lyllis : @lamaisondelyllis

 

-crinkle crinkle crinkleBrand director

金原 広和 (きんばら ひろかず)

長年テキスタイルデザイン会社にて企画営業に従事し、コレクションやメゾンブランド、セレクトショップを担当。現在はアパレル会社にてテキスタイルデザインチームを運営しながらトレンド予測やブランドのディレクター兼デザイナーを兼任している。

Instagram : @kin.summer.summer.

crinkle crinkle crinkle : @crinkle.official

 

 

 

  

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